Project株式会社池田模範堂 MUHI SKIN RESEARCH CENTER

皮膚を纏う

皮膚を纏う

美しい肌の人を見て、はっとする時がある。建築でも同じような感情を見るものに起こせないだろうかといつも思う。人にとって肌は健康的な美を表すのと同時に、血管や内蔵を守るといったさまざまな大切な役割も担っている。洋服など身につけるものは第2の肌で、建築における外皮は第3の肌と言えるだろう。
虫さされ・かゆみ止めで圧倒的ブランド力を持つ「ムヒ」。製造する池田模範堂は立山連峰を背にする富山県の美しい環境に工場と研究所を有している。また創業から100年を迎え、これまでの「虫さされ・かゆみ止めのムヒ」から「肌を治す力MUHI」へ製品開発とブランドイメージの変身に挑戦すべく、新研究所を計画された。本プロジェクトでクライアントが我々に求めたテーマは「新商品のアイディアを生み出す研究所」であった。我々は建築的にもマインド的にもオープンで自由な環境のもと創造性が高められ、組織を越えて人が混ざり合う、ある種の雑多なエネルギーを放ったカオス的な空間を想像した。成り行き任せのカオスではなくセレンディピティを狙った適度に制御したカオスな環境だ。そのために各フロアーをスキップ状に不均一にズラし、そこから生まれる予期せぬ新しい間、アクション、人の流れや、視線の抜け、フロアーのズレによる適度な距離感を期待した。そこにラボ、オフィス、バーラウンジ、篭り部屋、ソラニワなど、集中と解放、緊張感と心地良さといった相反する要素を的確なバランスで共存させ、いくつもの部屋に入り込んで行くような奥行きと、楽しさを狙った。建築では肌の研究所であるブランドアイデンティティを表現すべく外皮に国内でも初の30cmの外断熱の肌層を設け、富山の厳しい冬の寒さから研究環境を守っている。その佇まいは雪をまとった立山連峰の雄大な景観との連続性を図った。

Completion January, 2015
Structure S structure
Structure Design Ono Japan
M&E Design P.T.Morimura & Associates
Site area. 10680m2
Total floor 4430m2
Location Nakashinkawa, Toyama
日経ニューオフィス推進賞受賞