視覚的な距離を縮め、
流動的な混ざり合いをうみだす
世界で事業展開するエアリキードのアジアオセアニア地区におけるイノベーションセンターである。 世界からさまざま課題やニーズを持った人々が訪れるセンターの一階にはこれまで蓄積してきた技術や未来の可能性を展示するショールームやイベント会場などが設けられ、そこから棚田状の大きな吹抜空間が全フロアーをスパイラル状に貫き、訪れた人に新たな発見や高揚感をもたらす場としてデザインしている。
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またスパイラル状の吹抜けでどこにいても常にセンター内のアクティビティの様子を垣間見ることができ、東西に長い建物における視覚的距離を縮め各部門の流動的な混ざり合いを促進させている。
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従業員は世界中から集まってここで課題の抽出から研究、開発、アプリケーションまでを組織横断的に対応するためそのプロセスを効率よく最適に機能する配置と、バラエティ豊かな個性を空間に表したバイタリティある環境を目指した。
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敷地は三浦半島の中央に位置し小高い丘陵地で海陸風が強く吹く敷地特性を持っていたため、東海大学 中野研究室の協力を得て気象データ測定装置で温熱環境や風の動きを実測した。そのデータをCFD(流体シミュレーション)に取り込み検証を行い海陸風の影響を受け流す、この地の環境に最適化された建築形状を模索した。結果得られた曲面を積層したファサードは織り重なる一本の帯が放射状に広がりこの地から世界へイノベーションの波を起こすクライアントの想いも取り込み表出した。
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