最速でゼロイチ・アイディアを生む
しかけづくりとは
日本人は古来から屏風、衝立、暖簾や簾などで居間と客間、内と外、聖と俗、自然と人工といった空間の境界を自在に操作しつつ緩やかなつながりのある領域のなかで豊かに生活をしていた。しかしいつしかその曖昧な境界はぶ厚く遮られてしまい、良くも悪くも各領域に距離感が創まれてしまった。
メディカルスタジオラボではニーシーズの共感 → デザインシンキング → プロトタイピング → アイスブレイクまでのゼロイチ思考における一連の流れを顧客と共に体験できる開発現場である。
空間にはさまざまな共創シーンにおける境界と自由に場の組み換えが可能な柔軟性が求められた。そこで境界の操作によって機能・用途が移り変わる日本古来からある”間(ま)”のあり方に着目し、曖昧な境界を見立てるツールのデザインから空間を計画していった。試行錯誤の末できた自立パーテーションの土台は、時にはスツールにもなる。利用グループはスツールに座り膝を突き合わせて議論し合う事ができ井戸端会議のように自由に発言しやすい親密な距離感が生まれる。
3種の超軽量型のパネルによりグループは柔らかく区切られる。パネルは書込みが可能な透明スクリーンパネル、ホワイトボードパネル、コルクパネルの3種ありグループを囲むように並べる事で、どこでも気軽にアイデアルームとしての共創の場が出現する。またパネルは天井から吊り下げる事ができ柔らかな光りを通しながら、ブレインライティングシートやアイディアスケッチを一望できる。
これから起こり得る様々な課題・解決策を可視化して、Co-Creationを加速させる“間”を最速で実現する曖昧でつながりのある境界をデザインした。
プラナスが近年手がけた研究所について、設計コンセプトやプロジェクト背景などを絵と写真と文章でご紹介しています。お気軽にご請求ください。