イノベーションのための渦磁場をつくる
クライアントは蓄積してきた技術の表出と分野を超えた自発的な連携、そして社員のイノベーション文化の醸成をテーマに、イノベーションの創造拠点を計画された。計画を進めるなかでプロジェクトを単に設計事務所に頼み建築(ハード)を完成させるという枠組みのプロセスではなく、計画のなかで研究者を巻き込み柔軟な共創文化の土壌(カルチャー)づくりのプロジェクトと位置付け、その設計・共創パートナーとしてプラナスへ委託した。
プロジェクトキックオフの後、プラナスチームはクライアントプロジェクトメンバー以外のユーザーとも積極的に共に創る体験を共有するために、主には以下に記載するワークショップを多数開催し関係者全員で方向性を確認した。
ノーベル賞が生まれる場や人の特徴やカルチャーについてのインプットトーク |
プロジェクトビジョンデザインワークショップ |
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ラボスペースやワークスペースに精通する各プロによるワークショップ |
大型模型や全フロアーの空間映像によるプロトタイピングとユーザー体験検証 |
社内向けビジョン共有のための映像製作 |
設計プロセスのみならず工事中の間でも、ユーザーを巻き込みながら上記のようなワークショップを繰り返し空間プロトタイプの細部の解像度を高めると同時に、プラナスのようなまったく異分野(?)企業との共創カルチャーの浸透を行っていった。
本施設は企業や組織の枠を超えて、社内外の課題や技術を渦のように巻き込み結び共に思考と創造をグルグル巡らす場を目指し創造した。渦の中心にはラボでもオフィスでも無い3rdプレース(中間領域)に集う強い共創エネルギーを持った人だ。
宇宙に満ちる“渦”がさまざまな惑星を運ぶ“磁場”であるように、本プロジェクトを通じ建物の内部に満ちるカルチャー(渦)をつくることが人のココロ(惑星)を動かし結果、イノベーションの源泉となる共創や挑戦に繋がることを我々は信じている。
化学ラボを有する研究所では国内初の『ZEB Ready』を認証取得。
快適な室内環境を維持しつつパッシブ技術や高効率な設備システムの活用、建物外皮の高断熱化などにより、大幅な省エネルギー化を実現した。
※ZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)
プラナスが近年手がけた研究所について、設計コンセプトやプロジェクト背景などを絵と写真と文章でご紹介しています。お気軽にご請求ください。