住宅地に佇む
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白鳥製薬創業の地に研究の中核を担うR&Dセンターとして計画。設計当時、1977年建設の研究棟で研究が行われており、1期工事では東側に1期棟を建設し既存研究棟の機能を移設、既存研究棟解体後に2期棟を増築し、これまで別々の場所で行われていた研究機能や事務機能を集約した。
住宅街であるこの土地に大きな圧迫感のある建物は適さないと考え、1つの大きなボリュームの建物ではなく、いくつかのボリュームに分割することでスケール感を小さくし、周辺の住宅環境に溶け込むような建築を目指した。 外壁にはALCのオリジナルデザインを採用し、白鳥製薬のはじまりでもあるカフェインにも含まれているベンゼン環をモチーフとしたデザイン。
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一般的にはコスト重視の建物で使用されることの多いALC板の目地をあえてデザインに取り込むことで、コストに配慮しながらもデザイン性の高い外観を実現。
また、1期棟と2期棟の接続部分で建物の顔となる正面部分は、全てを入隅で接続するデザインとすることで、エキスパンションが目立ちにくい意匠となるよう工夫。
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これまでの研究環境を変えるべく、実験環境の空調計画に十分に配慮し、研究者の作業安全を守るため排気設備を十分に配置。研究排気設備は全ての空気を排気すると環境負荷が非常に大きいため、研究者にヒアリングを行いながら排気設備の稼働率を検討し、ランニングコストやイニシャルコストを低減し環境負荷低減に配慮した計画とした。
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